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ハンディ油膜確認ユニット

ワーク表面に塗布された離型剤や潤滑剤などの油膜の塗布状態を広範囲に把握できます。

ワーク表面に塗布された離型剤や潤滑剤などの油膜の塗布状態を広範囲に把握できます。

加えて、画像データと統計処理により確認した油膜の厚さを推定できます。

1. 油膜確認の原理

離型剤、潤滑油、切削油などの多くの石油系の油剤は紫外線を当てると蛍光を発する性質があります。

紫外照明(UV照明)より照射した紫外線をワーク表面に当て、その時ワーク表面の油剤が発する蛍光をカメラにより確認(検出)します。実際には、カメラへの入射光は油剤の発する蛍光、外部からの光のワーク表面での反射光(外乱光)、紫外光のワーク表面での反射光の三種類を含みます。

フィルターなし

UV透過フィルター

可視光透過フィルター

反射光を絞り込む

反射光をカットする

蛍光発光が抽出される

図2 二種類の光学フィルタによる蛍光のしぼりこみ

蛍光

反射光(照明)

外乱光

このうち、金属表面で反射する紫外光と外乱光の二つは油膜からの蛍光を確認する際に邪魔となるため、除去する必要があります。まず、ワーク表面で反射する紫外光はUV照明とカメラの前面に設置した二種類の光学フィルタにより除去します(図2)。一方、外乱光はUV照明点灯時の画像と紫外照明消灯時の画像の差分を取ることにより除去します(図3)。

2. 膜厚推定の原理

金属表面の油膜の蛍光発光量と油膜の厚さの間に成り立つ相関式を利用して、カメラ画像より得られる蛍光発光量から油膜の膜厚を推定します。この相関式は、予め、油の種類ごとに、光干渉式膜厚計等を用いて実測した膜厚とカメラ画像より得られる蛍光発光量の情報を統計処理して求める必要があります(図4)。

図4 膜厚とカメラ画像の蛍光発光量の相関関係

実際のところ、カメラ画像より得られる蛍光発光量は、膜厚以外の因子によっても変動します。例えば、カメラからの測定対象面までの距離や傾斜角度も蛍光発光量に影響します。これらの因子は、多岐にわたりますが、照明とカメラのユニット化や撮影条件を固定することである程度少数に限定することができます。リョーエイの提案する膜厚推定システムでは、膜厚に加え、距離、傾斜角度、画像の視野内位置の四つが油膜の蛍光発光量に及ぼす影響を補正した相関式を導出し、カメラ画像の蛍光発光量から膜厚推定を行います。

3.油膜検査技術の応用例

機械部品の洗浄工程における油分残りや、エンジンオイルなどの油漏れ検査などに適用できます。

例1:鍛造型離型剤塗布状態の比較検査

適正状態

​少

​多

例2:油漏れ検査

不足状態

​少

​多

例3:潤滑油検査

差分表示

不足

過剰

例4:加工面油分残り検査

図1 油剤の蛍光発光

エンジンオイル

離型剤

切削油

グリス

UV照明点灯時画像

油膜

外乱光

UV照明消灯時画像

差分画像

図3 UV照明のパルス発光による外乱光除去

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